ローラン・バヨ（Laurent Baheux、1970年生まれ）は、高いコントラストと深い黒を特徴とするモノクロ表現で知られるフランスの自然・野生動物写真家で、アフリカの野生動物を中心としたシリーズは世界各国のギャラリーで紹介され、WWFやUNEPなどの環境保全団体の啓発活動にも用いられている。アンセル・アダムス、ピーター・ビアード、アンリ・カルティエ＝ブレッソン、セバスチャン・サルガド、リチャード・アヴェドンらに影響を受け、ポートレート写真のように動物の“人格”を強調する表現が評価され、フランスのスタジオ・アルコーの系譜とも評される。NIKONの機材と大型レンズを使用し、野生動物の環境を乱さずに撮影する姿勢も特徴である。主な受賞歴として、2007年「Shell Wildlife Photographer of the Year」クリエイティブ・ビジョン・オブ・ネイチャー部門受賞、2008年WWF 生物多様性賞（パリ環境イメージ国際フェスティバル）、2014年にはBlack and White Magazine、Adore Noir Magazineなどでポートフォリオ部門のHonorable mentionを受け、2016年「Moscow International Foto Awards」野生動物部門でもHonorable mentionを獲得した。さらにUNEPの反密猟活動の親善大使として「Wild and Precious」空港国際展示に作品が採用されるなど、芸術性と社会的メッセージ性を併せ持つ写真家として国際的に注目されている。