その旅は、アルバムの冒頭から鮮烈に始まる。オープニングの「Walking Through The Maples」では、生命力に満ちた複雑なレイヤーが、まるで目覚めたばかりの森を歩くような感覚を呼び起こす。続く「Mist On The Moat」は、霧に包まれた内省的な風景を描き出し、静謐な没入感を与える。
「The Cloud Table」は、本作の方向性を象徴する一曲だ。これまで以上にパーカッシブな要素が強調され、軽快なリズムと浮遊するシンセサイザーが絶妙な均衡を保っている。「The Wind Through The Chimes」では、風の動きを音に変換したかのような繊細なテクスチャが広がり、リスナーを束の間の瞑想へと誘う。
そして、タイトルトラックである「Hinterlands」。ここでは、アルバム全体のテーマである「未踏の地」の広大さと、そこにある微細な生命の鼓動が、ドラマチックな構成力をもって表現されている。続く「The Silent Summer」や「The Bird Of Paradise」でも、Green-Houseのシグネチャーと言える、色彩豊かで喚起力に満ちた音像が絶え間なく溢れ出す。