基本情報|Release Information
レーベル:King Records
品番:EB-263
フォーマット:7インチ, EP
国:Japan
リリース年:1953年頃
タグ:Lyric Song, Vocal Group, Japan, Postwar, Film Theme, Early EP
作品の解読|Decoding the Work
このEPに収められた2曲は、単なる懐かしさでは捉えきれない、「声の時代」の始まりに立ち会った記録である。1953年頃にキングレコードから発売された本作は、高英男の透明な独唱と、デビュー直前のダーク・ダックスの若々しいコーラス、そして映画主題歌という外来文化の受容が、ひとつの盤面で共振する。
A面「雪のふるまちを」は、1952年NHKラジオドラマ『えり子とともに』の挿入歌として生まれ、戦後の日本における“声の再構築”の様相を帯びている。中田喜直の旋律は、都市の寒さと、心の温度を対比させながら、当時の街並みを背景に“耳で見る情景”を立ち上げる。
B面「マルセリーノの歌」は、スペイン映画『汚れなき悪戯』(Marcelino pan y vino, 日本公開1955年)の主題歌の日本語版。こちらもまた、当時の“音楽と言語の翻訳”という行為の軌跡を残している。異国の感情表現が、日本語の詞と旋律に乗ることで再構成され、言葉を超えた祈りのような響きを宿す。
このレコードが特別なのは、その両面が“翻訳された時代”を象徴していることにある。一方は都市と抒情のあわいを辿る日本語オリジナル、もう一方はカトリック的世界観に触れた映画の主題歌。共に戦後の耳に、新しい「他者の声」として響いた。録音はキング・サロン・オーケストラによる安定感ある演奏で支えられ、今日聴いても過剰な装飾に頼らぬ凛とした編成が、むしろ時代を超える静けさを宿す。
アナログ盤というメディアに封じられたのは、楽曲だけではない。録音所の空気、声の運び、言葉のリズム、そのすべてが、文化の記憶装置として刻まれている。この盤を再生するという行為は、音楽というより「時間を巻き戻すこと」に近い。
状態詳細|Condition Overview
メディア:EX
ジャケット:EX
支払と配送|Payment & Shipping
発送:匿名配送(おてがる配送ゆうパケット)
支払:!かんたん決済(落札後5日以内)
注意事項:中古盤の特性上、微細なスレや経年変化にご理解ある方のみご入札ください。完璧な状態をお求めの方はご遠慮ください。重大な破損を除き、ノークレーム・ノーリターンにてお願いいたします。