三条右大臣の和歌・仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室で伊達蓁子(もとこ)自筆「百人一首」和歌番号-25

三条右大臣の和歌・仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室で伊達蓁子(もとこ)自筆「百人一首」和歌番号-25 收藏

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仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室・伊達蓁子(もとこ)・自筆「百人一首」の和歌

元々は、茶会の「茶掛」として掛軸に表装されておりました。

海外展示の際に「額縁」に装丁されたものです。

伊達蓁子(もとこ)の和歌は「ちらし書」と呼ばれる書法です。文字を散らして布置するわが国独自の書き方です。この書法の歴史は平安時代の康保3年(967)の「紙背仮名消息」(滋賀・石山寺)、同じく平安時代の公卿・藤原公任(きんとう)自筆『北山抄』「仮名消息」(京都国立博物館)が知られております。各行に高低の変化をつけ、流暢(りゅうちょう)に続く連綿はきわめて美しいもので「百人一首」の書法として平安時代の公卿卿などの間で広まり、その後大名家の姫君の間で用いられておりました。

《参考資料》
欧米では「仙台藩主・正室の自筆」という明確な来歴(Provenance)を持つ百人一首は欧米では高く評価されております。これは自筆自体が仙台藩主の正室(Princess / Consort)の手になる「Sendai Daimyo family (Date clan)」(仙台藩主・伊達家一族)として特に、その繊細な美学と、当時の最高峰の工芸技術が凝縮されているとして、極めて高い評価を受けているものです。徳川家の御三家、島津家、前田家とならぶ価格として他の版と比較し3倍から4倍の高い評価をうけております。とりわけ、筆者の特定と落款はとりわけ高い評価を受けております。

自筆下部の印は、伊達斉義の正室・蓁子(もとこ)の(印譜)


《篆書体の高度な線刻技術》
原本自筆には、中国唐代の漢詩人・常建(じょうけん・約708年 765年頃)漢詩が押捺されております。篆書体の微細な線刻によるもので米粒に筆で文字を描く技法と共通しております。印材に髪の毛ほどの極細な彫刻刀で描く極めて高度な技術です。

《篆書の漢文》
篆書の漢文は「一身為軽舟落日西山際常隋去帆影遠接長天勢物象帰余清林巒分夕麗亭亭碧流暗日入孤霞継」、
読み下し文は「一身(いっしん)軽舟(けいしゅう)に為(な)る。落日(らくじつ)西山(せいざん)の際(きわ)、常(つね)に去帆(きょはん)の影(かげ)に隋(した)がい、遠(とお)く長天(ちょうてん)の勢(いきお)に接(せっ)す。物象(ぶっしょう)余清(よせい)に帰(き)す。林巒(りんらん)夕麗(せきれい)を分(へだ)てり、亭亭(ていてい)として碧流(へきりゅう)暗(くら)く、日(ひ)入(いり)て孤霞(こか)継(つ)ぐ。」

《現代語訳文》
現代語訳文は、「わが身を小舟に託して旅行くうち、日は西山の上に落ちかかる。あの西山は去り行く舟のあとを追うようにしていつも見えている山ではるかに続く大空につらなっている。この日暮れ、万物の姿は秋のすがすがしさのたちこめる中に溶け込んでゆき、林や峰々は夕映えのうちにくっきりと浮かび上がる。はるかに去り行く揚子江の青い流れは暗く、日の沈んだあとにはひとひらの夕焼け雲が落日の色を受けついだ。」です。
伊達蓁子(もとこ)は、仙台藩10代藩主・伊達斉宗の娘で「芝姫(あつひめ)」とも称される。養子として家督相続をした仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室となる。蓁子(もとこ)は、和歌や漢詩の素養もある教養のある女性として知られておりますが、「百人一首」を記す際、漢詩を読み理解し共鳴していることがよくわかる。

出品した「百人一首」自筆の内容(原文の読み下し文)は次の通りです。


「三条右大臣(さんじょうのうだいじん)」
「名にしお(負)はゝ逢坂山(あふさかやま)の五味(さねかつら)

            人に志(し)られてく(来)る由(よし)もかな」


(文責・出品者)
「原文の読み下し文」は、読みやすいように「通行訳」(教科書仕様)としております。


(2)・出品した「百人一首」自筆の内容(原文の現代語訳文)は次の通りです。

「三条右大臣(さんじょうのうだいじん)」

「逢って寝るという名を持っているならば、その逢坂山のさねかずらは、たぐれば来るように、   

            誰にも知られずにあなたを連れ出すてだてが欲しいよ。」

現代語訳の出典:「小倉百人一首」鈴木日出男(東京大学名誉教授)

(3)・出品した「百人一首」自筆の内容(英訳文)は次の通りです。
《三条右大臣》

If you hold the power of your name,
oh Meeting Hill’s sleep-together vine,
then I wish your charm
would haul my love in closer
unnoticed by anyone


英語訳文(英文)の出典:『100 Poets: Passions of the Imperial Court』
Michael Dylan Welch(百人の詩人・宮廷の情熱)《2008年》



(4)・出品した「百人一首」自筆の内容(中国語訳文)は次の通りです。
《三条右大臣》

逢坂山中真葛草,相思系万千条。
愿随枝蔓到君処,不被人知不必逃。



備考・三条右大臣(さんじょうのうだいじん)は、藤原定方(ふじわら の さだかた)のこと。実方は、平安時代前期から中期にかけての貴族・歌人。内大臣藤原高藤の次男。醍醐天皇の外叔父。寛平4年(892年)に内舎人への任官をはじめに、寛平7年(895年)陸奥掾、翌年には従五位下尾張権守に叙任。寛平9年(897年)には甥の敦仁親王(醍醐天皇)の即位に伴い右近衛少将と累進を重ねた。その後は相模権介などの地方官を歴任し、昌泰4年(901年)には従五位上左近衛少将に叙任された。その翌年の延喜2年(902年)には正五位下、延喜6年(906年)には従四位下・権右中将となった。 延喜9年(909年)には参議として公卿に列し、延喜10年(910年)備前守、従四位上に昇叙。延喜13年(913年)には従三位・中納言となり、同年4月には左衛門督を兼帯した。延喜20年(920年)大納言、翌延喜21年(921年)には正三位。延長2年(924年)右大臣、延長4年(926年)従二位に至り、承平2年(932年)に60歳で没。三条に邸宅があったことから三条右大臣と呼ばれた。

「額縁入原本」


(自筆表面の凹凸はストロボの反射によるものです。)

「自筆原本」



写真によって大名の正室らしい品格のある書の勢いと速さを確認することができる。
仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室・伊達蓁子(もとこ)の書体は、漢文と違った和歌の素養を発揮しなめらかで、やわらかな書体は茶室の雰囲気を重厚なものにさせた。小さな印は、伊達斉義の正室蓁子(もとこ)の落款。
原本自筆には、「一身為軽舟落日西山際常隋去帆影遠接長天勢物象帰余清林巒分夕麗亭亭碧流暗日入孤霞継」の漢詩文が押捺されている。唐の時代の有名な漢詩です。(内容は上記に記載)



参考資料:「三条右大臣」


出典・財団法人小倉百人一首文化財団・所蔵




「百人一首」原本の和歌番号100(順徳院)に記されている仙台藩の藩印

写真左下の角印が仙台藩の家紋印(竹に雀)
家紋印の上の小さな印は仙台藩主第11代藩主・伊達斉義の正室・蓁子(もとこ)の印。「蓁子(もとこ)」は伊達蓁子のこと。
和歌の左端の篆書による漢詩の落款は「一身為軽舟落日西山際常隋去帆影遠接長天勢物象帰余清林巒分夕麗亭亭碧流暗日入孤霞継」。唐の時代の有名な漢詩です。(内容は上記に記載)
写真上右は仙台藩主(伊達家)正室一覧表の表紙。表紙の左は正室・夫人一覧の拡大写真(仙台市立博物館・刊行)


「額縁裏面ラベル・仙台城復元写真」


上段は額縁裏面ラベル。下段の写真は仙台城の復元写真)。


「断層画像写真」


《断層画像写真番号(和歌番号と同じ)》
拡大画像によって大名の正室らしい品格のある書の勢いと速さを確認することができる。
伊達斉義の正室で伊達蓁子(もとこ)は、漢文と違った和歌の素養を発揮しなめらかで、やわらかな書体は、茶室の雰囲気を重厚なものにさせた。

仙台第11代藩主正室・伊達斉義の正室で伊達蓁子(もとこ)・自筆(直筆)「百人一首」を出品
自筆者に関する説明 自筆「百人一首」自筆には、「蓁子」の落款がある。 仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室の伊蓁子(もとこ)は、芝姫(あつひめ)と称された。
自筆 自筆切の稀少価値は、和紙の生成技法の緻密さにあります。日本の和紙の場合、極めて薄い和紙の上に墨の文字がくっきりと浮き上がることが断層画像写真によって鮮明となります。肉眼では見ることのできない和紙の繊維の一本一本のミクロの世界を見ることができます。自筆原本は茶会用の掛軸から外され海外展示のために再表装をしております。掛軸や屏風にすることが可能なように、「Removable Paste(再剥離用糊)」を使用しているため、自筆の書に影響をあたえずに、容易に「剥離」することができるような特殊な表装となっております。

寸法 「百人一首」原本の大きさ タテ13.0センチ ヨコ17.8センチ。額縁の大きさは、タテ40.0センチ ヨコ30.0センチ。額縁は新品です。

解読文 出品した書には、「原文の読み下し文・現代語訳文」(解読文)を掲示し、平易に解読し読むことができるようにしております。

稀少価値 所蔵経緯(来歴)
1・自筆「百人一首」には、仙台藩11代藩主・伊達斉義の正室・伊達蓁子(もとこ)の押捺がある。

HP 伊達蓁子(もとこ)・自筆「百人一首」の和歌の書を出品いたしました。出品以外の所蔵品を紹介した出品者のホームページ「源氏物語の世界」をご覧ください。

ツイッター「源氏物語の世界」 も合わせてご覧ください。


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