著者:深沢七郎
出版社:中央公論新社
「お姥(んば)捨てるか裏山へ裏じゃ蟹でも這って来る」
雪の楢山へ欣然と死に赴く老母おりんを、孝行息子辰平は胸のはりさける思いで背板に乗せて捨てにゆく。残酷であってもそれは貧しい部落の掟なのだ――因習に閉ざされた棄老伝説を、近代的な小説にまで昇華させた「楢山節考」。
その次の夜、おりんはにぶりがちの辰平を責めたてるように励まして楢山まいりの途についたのである。宵のうちに明日みんなが食べる白萩様もといでおいたし、椎茸のことも、いわなのことも玉やんによく云っておいた。家の者達が寝静まるのを窺って裏の縁側の戸をそっとはずした。そこで辰平のしょっている背板に乗ったのである。……
深沢七郎(1914-1987)
山梨県石和町生れ。少年時代からギター演奏に熱中し、戦時中17回のリサイタルを開く。戦後、日劇ミュージック・ホールに出演したりしていたが、1956(昭和31)年『楢山節考』で、第1回中央公論新人賞を受賞し作家生活に入る。『東北の神武たち』『笛吹川』などを発表するが、1960年の『風流夢譚』がテロ事件を誘発し、放浪生活に。埼玉県菖蒲町でラブミー農場を営んだり、今川焼きの店を開いたりしながら『甲州子守唄』『庶民烈伝』などを創作、1979年『みちのくの人形たち』で谷崎潤一郎賞を受賞。
残酷な棄老伝説を通して
人間の矜持と生と死の尊厳を極限まで問う名作。
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