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■歴史を所有する悦び
コイン収集の醍醐味は、単に金を所有することではなく、
その時代の「記憶」を掌に乗せることにあります。
今回出品するのは、ヨーロッパの名門中の名門 ハプスブルク帝国の
黄昏を象徴する「4ダカット金貨（1915年銘）」です。
しかも、世界最大の鑑定機関であるNGC社によって「MS69」という、
現存する中でほぼ最高峰と言える極めて高い評価を受けた、
奇跡的なコンディションの一枚です。

■ 描かれた人物：帝国の父、フランツ・ヨーゼフ1世

表面に刻まれているのは、オーストリア＝ハンガリー二重帝国の皇帝
フランツ・ヨーゼフ1世です。
68年という気の遠くなるような長きにわたり君臨した彼は
激動の19世紀において「帝国の支柱」であり続けました。
彼は自らを「帝国の筆頭官僚」と呼び、毎朝4時に起床して 軍服をまとい
深夜まで膨大な公務をこなす、 極めて誠実でストイックな人物でした。
その功績は多岐にわたります。
ウィーンの近代化: 現在の美しい街並みである「リングシュトラーセ」を 建設し、
ウィーンを世界最高の文化都市へと押し上げました。 多民族国家の統合:
複雑な民族問題を抱える巨大帝国を、その圧倒的な個 人的人格と威厳によって
繋ぎ止め、「パクス・アウストリア（オーストリアによる平和）」 を維持しました。
しかし、その私生活は「悲劇」の一言に尽きます。最愛の妻エリザベート（シシィ）の暗殺、
息子ルドルフの心中、そして後継者フランツ・フェルディナントがサラエボで撃たれたことで、
世界は第一次世界大戦へと突き進みました。

■ 歴史的背景：1915年、帝国の黄昏
このコインに刻まれた「1915年」。 これはフランツ・ヨーゼフ1世が崩御する
わずか1年前の年号です。 600年以上続いたハプスブルク帝国の最後の輝きを
放っていた時代であり、 この翌年に皇帝が亡くなると、帝国は急速に解体へと向かいました。
本品は、その歴史的意義を後世に伝えるため、オーストリア政府が 当時の金型を使用して
公式に発行した「リストライク（再鋳貨）」です。 かつて中世ヨーロッパで「最も信頼される通貨」
として君臨した ダカット金貨の伝統を、今に伝える格式高い金貨です。

■ 資産としての価値：驚異の「MS69」
本コインの価値を決定づけているのは、その異常なまでの状態の良さです。
4ダカット金貨は、その華やかさを際立たせるために 「直径が大きく、かつ非常に薄い」とい
う特殊な形状をしています。
そのため、少しの衝撃で傷や歪みが生じやすく、高グレードの個体は極めて稀少です。
MS69という評価: 70点満点の鑑定において69点という評価は、 製造当時の輝き（ラスター）が
ほぼ完璧に残されていることを意味します。 高純度な金: **23.6金（純度98.6%）**という、
現代の地金型金貨（K24） にも匹敵する極めて高い純度を誇ります。

■ スペック詳細 発行国： オーストリア
額面： 4ダカット
年号： 1915年（リストライク）
材質： 金（純度98.6%）
重量： 約13.96g
直径： 約40mm
鑑定機関： NGC社
グレード： MS69（未使用・準最高鑑定）

■ 最後に
金価格が高騰し続ける現代において、金そのものの価値に加え、歴史的背景、
そして世界トップクラスの鑑定評価という「三拍子」が揃ったコインを持つことは
単なる投資を超えたインテリジェンスな資産防衛です。
フランツ・ヨーゼフ1世が見守った帝国の栄光、その一欠片をぜひ貴方のコレクションにお加えください。

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