小鹿田焼 刷毛目 の兜大皿です。
裏返した形が 兜の形であることから そう呼ばれています。

寸法は、径40.5cm×高さ8cm×高台径15cmです。
未使用品で、底面には、焼成中に作品と棚板が付着しないようにするため塗布するアルミナが付着したままの状態です。
詳細は画像でご確認ください。
小鹿田焼は、文禄・慶長の役後、九州に渡来した朝鮮半島出身の陶工による陶技が、筑前高取系の小石原を経て現在の大分県の小鹿田皿山に導入され定着したものと伝えられ、その開窯は宝永二年（1705年）といいます。
以来、明治時代末期まで、甕、鉢、壼等の農家の日用雑器を焼造してきましたが、その後昭和6年、民芸運動の指導者であった柳宗悦の来山により、その伝統的技法と質朴・雄勁な作調が賞揚され、同45年、国は小鹿田焼の技術を記録作成等の措置を講ずべき無形文化財として選定しています。

【柳宗悦と小鹿田焼との出会い】
偶然訪れた陶器屋ではじめて「日田もの」と言われていた小鹿田焼を見た柳は、「それはどうしても今出来のものとは思へない。それほど手法が古く形がよく色が美しい。或るものは遠く唐の窯をさへ想起させた。」
と興味をそそられるようになります。
手がかりとなる文献を探し出すことができなかった柳は 4年後の昭和六年（1931）、自分の目で確かめる他はないとついに小鹿田行きを決行したのです。

バーナードリーチ氏も、小鹿田焼の装飾法の一つである「飛びカンナ」に興味を持ち、その技法を学びたいと思っていたのでした。そして昭和二十九年（1954）四月四日、ついにリーチ氏は濱田庄司、河井寛治郎、河井武一の三人を伴って小鹿田皿山に到着、3週間にわたり陶芸を通じて小鹿田皿山の人々との交流を行いました。

【バーナードリーチ氏の言葉より】
「イギリスの私の窯は海岸にあるので、夏になると海水浴客がどっと押し寄せて、中には私の工房をのぞきにくるものもあり、ひどくわずらわしい。この小鹿田も近年訪れる人が急に多くなったそうだし、これからはもっと多くなりそうだ。私はこの人たちにお願いしたい。小鹿田を大事にして下さいと。
小鹿田は日本の宝であるばかりでなく世界の貴重な宝なのだから。」

以後、今日まで 9軒の窯元による一子相伝で 伝統的製作工程による作風が当初のまま堅持されており、非常に貴重で文化的価値の高いやきものです。
素朴な色合い、伝統的な技術や釉薬が受け継がれてきた装飾は、使うに連れて味わいの増す『用の美』が追求された造りとなっています。

当方も 『小鹿田焼の里』に足を運ぶこと数回、古からの伝統の作陶を守り続けた原風景と、そこで作り出される小鹿田焼の器には 伝統継承されてきた『用の美』が在り 魅了されています。

※おてがる配送ゆうパック120サイズでの発送を予定しております。